癌と余命を生きる 肝内胆管癌ステージⅣ

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標準治療プラスαが大切のようだ

○標準治療(抗がん剤等)が基本と思う

 第1段階の目標を余命3ケ月としたが、治療の効果で3ケ月が過ぎ、半年が過ぎようとした12月、S医師に伺った。「そろそろ体調が急変するということはありますか」。「現在の体調を見る限り、すぐにということはないでしょう」。どうやら、来春が次の目標になりそうだ。

 本やネットでは、癌に効くという民間療法の情報があふれている。しかし、保険適用になる標準治療は効果が実証されている。やはり、これが基本になるのではないだろうか。

 それに加えて、無理のない範囲での前向きな取り組みも大切だと感じている。その効果は実証できないが、生きようとする気持ちを維持することにつながる。

○好きだったお酒をきっぱり断酒した

 6月4日の癌告知から、お酒は一滴も飲んでいない。「酒が飲めなくなったら死んだ方がましだ」という軽口はどこへやら、断酒したわけだ。

 お酒は肝臓に負担をかけることが理由だが、そもそも、みぞおちの重苦しさでお酒を飲みたいという気持ちにならない。時々、昔の登山後のビールのうまさを思い出すが、そんなときは、ノンアルコール・ビールを飲んだ。しかし、それも次第に希になった。お腹に張りがあるため炭酸飲料を敬遠するようになったからだ。

 こんな日が来るとは思いもよらなかった。断酒は、癌の治療の助けになっているはずだ・・・と信じたい。

○軽登山の翌日、奇跡が起きた

 治療が休薬期にあたる8月29日(日)、森林限界を越える感動を最後に味わいたいと、30年前に家族で初めて登山した那須の茶臼岳に出かけた。緊急事態宣言中だが、休薬期、週末、それに天気という3条件がそろう日はわずかだ。越境させていただいた。

 ロープウェイを利用すれば山頂まで行けそうと30分ほどのコースを選択。抗がん剤で赤血球が減少しているためだろうか、すぐに息があがる。途中で2回も休憩し、苦しみつつも登頂することができた。達成感で気分爽快!

 そして、翌日は治療日。血液検査の結果に奇跡がおきた。6月から徐々に悪化していた数値が、初めて改善したのだ。腫瘍マーカーも8月16日に9万3千まで悪化したが、4万9千に下がった。標準治療に加えて、山の爽快さが体の免疫力を向上させたのだろうか。希望の光が見えてきた。

○新車をキャンセルせずに気持ちが華やぐ

 実は、癌がみつかる前の4月のこと。10年乗ったプリウスを買換えようとホンダの新型ヴェゼルを予約した。夫婦で登山するために山道を走るが、プリウスは時々腹をこすった。そこで車高が高いSUVにしようと選択したものだ。

 しかし、6月初めに癌がみつかったとき、登山はできなくなるのでキャンセルしようかと妻と話し合った。

 結論は、「ここでキャンセルしたら、もう癌からの回復はないと諦めることになる。希望の証としてキャンセルは無しにしよう」。

 この判断は正解であった。納車日は7月15日。夏から秋にかけて温泉療養を求めて出かけたが、新車が活躍した。新型ヴェゼルは快適で、気分を華やかにする何かがあった。その前向きな気持ちが延命に効果があるはずだ・・・信じる者は救われる?

○妻の献身的な支えが大きかった

 通院治療になるので家族とくに妻の支えが必要であった。といっても、腫れ物に触るように接されると気を遣う。いつもと変わりない妻の態度がよかった。妻と散歩したりドライブしたりすると、癌であることを忘れることが多かった。それは心の平静を保ち、癌治療に前向きに取り組む助けになったと思う。感謝!

 もっとも、妻の負担は大きかったはずだ。朝昼晩の3食をつくり、本人の悲しみを心にしまい込む。朝起きると「今日の調子はどう」と聞くことが妻の日課であったが、私が「癌の痛みが増してきた」と言うと、なぜか妻も体調を崩すことが時々あった。やはりストレスは大きかったと思う。私が元気で治療に取り組むことが、なによりの妻孝行になるはずだ。

○釈迦の霊泉を飲む

 群馬に住んでいる義理の弟が、知人が癌に効いたとのことで、釈迦の霊泉を購入して持参してくれた。温泉水だが、水クラスター(分子の集合体?)が極めて微少でケイ素が多いという。

 科学的には証明できないが、癌が直ったという実際の報告がある。飲みやすいミネラルウォーターで、それから1日1リットル程度を飲み続けている。癌への効果のほどはわからないが、胃腸の調子を整えるには効果がありそうだと感じている。
 もうひとつ、ラジウム温泉に出かけた。その効果は後の回で。


那須・茶臼岳(2021.8.29)


那須・茶臼岳(2021.8.29)