癌と余命を生きる 肝内胆管癌ステージⅣ
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このところ体調が不安定だ。急に悪化するかと思えば、数日後には回復する。癌の影響のようだが、体調が回復した時には、できる限り前向きに過ごしたいと思う。
○痛みが増大してオキノームを飲む
7月21日の午後から急に右脇腹が痛み出した。これまで経験したことのない痛みで、ジクトルテープ2枚ではしのげない。医師からは、痛みが増したときの飲み薬としてオキノームを頂いていた。モルヒネと同じ麻薬の一種だ。これまで飲むことはなかったが、今回、初めて飲むことにした。しばらくすると痛みは軽くなった。
翌日も朝から痛む。2回目のオキノームを飲んだ。オキノーム1包で効くため、痛みは軽いほうのようだ。しかし翌日から腹痛と下痢が続き体調が大きく悪化した。
この時は、そろそろ終わりが近いと覚悟した。
○体調が回復するとともに体力づくりを再開した
ところが、3日ほどすると体調が回復し痛みも軽くなった。なぜ回復したのかは分からない。
回復すると気持ちが前向きになる。自宅での体力づくりを再開した。サイクルマシンを20分ほどと、モモ上げトレーニング10分ほどを行う。この日は息が上がって苦しいが、体を動かすと体調がよくなる気がした。
○花園神社の奥の院峰登山に無謀にもチャレンジ
末期癌でありながら鼠径ヘルニアの手術に踏み切ったのは、余命を活動的に生きるためだ。このため、手術後の目標は、登山にチャレンジすることであった。
7月30日(土)に北茨城市にある花園神社の奥の院峰にチャレンジした。ここを選んだ理由は、ひとつは、夏でも涼しい地域であること、二つ目は、距離は短いが鎖やロープで登る箇所があることだ。奥の院峰の往復は2時間弱で、半分は林道歩き。昔、積雪期に登ったが、ほとんど苦労した記憶はないため、ここなら大丈夫だろうと夫婦で出かけた。
しかし、これは甘い判断であった。今の私には無謀なチャレンジとなった。
○雨上がりで濡れている鎖場は極めて危険
名所の七ツ滝までは、林道から少し階段を上る。ここまでは快調であった。しかし、そこからが厳しい道になる。標高差160メートルでコースタイム20分と短いが、急な階段が続いた後は、30メートルほど鎖場を登る。
私にとって急階段は苦しい。すぐに息が上がる。途中で何回か階段に座り込んで息を整えてから登り、ようやく鎖場に着いた。
鎖場は、木の根と岩が露出した急坂を登る。この日は雨上がりで、木の根が濡れて滑る。岩も苔むしている。極めて危険だ。予想以上に体力と気力を奪われ、5メートル登っては座り込んだ。
頂上が遙か遠くに感じ、無謀なチャレンジであったと後悔した。救いは、妻が先導しながら励ましてくれたこと。「もうすぐ着くよ。そこは右へ回り込んで・・・」。その声に励まされて、なんとか登頂に成功した。バンザイ!
○下山は迂回路を選択したが道が荒れて苦労する
しかし、喜んではいられない。問題は下山であった。滑りやすい鎖場は、足を滑らせれば転落する。大怪我は免れない。今の私には、そこを降りる自信がなかった。そこで、距離は長いが女体山を通る迂回路で降りることにした。積雪期に通った道で大丈夫だろうと判断した。
しかし、夏は登山者が少ないようで、道が笹に覆われてしまった箇所が多い。途中、新しいストックが落ちているのを発見してドキっとした。なぜ落ちているのだろうか。このとき妻は、病人を抱えて私たちも遭難するかもしれないと不安になったそうだ。
それでも、下山は、息が上がることが少ない。約1時間かかって無事林道に戻ることができた。結局、2時間の予定が、倍の4時間の登山となった。車に戻ったときは、登頂の達成感より、無事生還したという安堵の気持ちであった。
○登山の翌々日から再び体調が悪化した
登山の翌日は体調がよい。体が軽く感じ、午前は卓球を楽しんだ。しかし、冷たい飲み物を多く飲んだことが原因だろうか、その後、胃腸が不調になり体がだるくなった。単なる夏バテであればよいが、お腹に張りがある。腹水の症状でなければよいのだが・・・。
体調のアップダウンが続いている。