癌と余命を生きる 肝内胆管癌ステージⅣ

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鼠径ヘルニア(脱腸)の手術をする

○鼠径(そけい)ヘルニアの手術で入院する

 5月30日(月)に筑波メディカルセンターに入院し、翌日に手術をすることになった。末期がん患者が敢えて手術しようとするため、どんな経過をたどるのか私も興味がある。

 鼠径ヘルニア(通称は脱腸)は、外科手術としては簡単なもので、ロボット機器を用いて日帰りで手術をする医院もある。筑波メディカルにはロボット機器はないため、通常の開腹手術になる。このため、2泊3日で入院し全身麻酔を用いて手術する。傷が癒えるまで1~2週間、激しい運動ができるまでは1ケ月かかるという。

○手術後の痛みは少ない

 手術室に入り麻酔をかけられ意識がなくなる。気がついたら手術は終わっており、ストレッチャーで病室に戻った。手術跡の痛みはあるが、我慢できないほどではない。
 6年前に前立腺癌の全摘手術をしたときは、手術後の痛みで苦しんだ。二度と手術はしたくないと思ったものだ。それに比べると、今回は軽い。とはいえ、油断は禁物だ。癌との相互作用がどう現れるか分からない。

○退院翌日に体調が悪化する

 手術翌日の6月1日に妻の迎えで退院した。介助無しで退院でき、生活にも支障はない。あっけないなぁと思ったのも束の間、その日の夜から体調が急に悪化した。

 まず、極端な頻尿になった。1~2時間ごとに尿が出る。しかも量が多い。さらに、翌日には、37度台の熱、だるさ、手術部と癌の痛みで寝込んでしまった・・・手術は無謀だったのだろうか。後悔が頭をよぎった。

○薬の副作用かもしれない

 しかし、素人考えだが、これは薬害による腎不全の前兆ではないだろうか。頻尿と多尿は、腎臓が悪化する前触れと思われるからだ。

 ネットで薬の副作用を調べると、癌の痛み止めのジルトルテープ75mgと、手術後の痛み止めのアセトアミノフェン500mgのどちらも腎臓に負担をかける。医師からは、二つは薬のメカニズムが異なるため、同時服用は問題ないと言われていたが、手術前の検査でクレアチニンが1.44に悪化しており、腎臓が弱っていた。このため、副作用が出やすくなっていたのかもしれない。

 そこで、手術跡の痛みは小さいため、薬を減らすことにした。アセトアミノフェンは、一日4回のところ2回に減らした。ジクトルテープも1枚にした。医師から痛み止めは症状に応じて調整してよいと言われており、それを踏まえたものだ。

 それが功を奏したのだろうか。寝込んだ翌日には、体調が回復した。とはいえ、夕方になると37度台の微熱と倦怠感が生じる状態は続いている。

○1週間後の通院で手術跡の経過は問題なし

 6月8日(水)は、手術後の経過を確認する通院日。医師は患部をみたうえで、少し腫れはあるが問題なく回復しているとのこと。ここ数日続いている夕方の微熱は、患部の感染や化膿などによるものではなく、やはり癌による腫瘍熱の影響のようだ。

 ひとまず、鼠径ヘルニアの手術は、術後経過を含めて無事終了した。自由に軽登山ができるようになるまでは、あと3週間辛抱する必要がある。思い切って手術したことが吉と出るか凶と出るかは、そのときに判明するだろう。


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