癌と余命を生きる 肝内胆管癌ステージⅣ

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小林研究室のOBOG会が開催される

○初めてのリモートによるOBOG会

 5月14日(土)にリモートで千葉大小林研究室のOBOG会が開催された。コロナで2年間中止になっていたが、幹事の田中君はじめ、日置君、久家さん、西口君、博士卒業の高田君ら有志が中心となり企画してくれたものだ。治療に取り組んでいる身には本当嬉しい。参加した全員に感謝したい。

 参加者は約60名であったが、リモートでどのように進行するのだろうか。期待と疑問が半々で臨んだが、うまい方法があるものだ。
 最初に私が挨拶した後で、ルーム(分科会のようなもの?)を6つ設けて、学年が近い者が同じルームに集まる。各ルームでチャットを楽しんでいる中に、私が順番に参加するという進行だ。なるほどと感心した。

○一人一人の言葉から刺激と元気をもらう

 私が各ルームに入ると、一人一人が近況を報告してくれる。仕事を元気に続けている人、転職して新天地に挑んでいる人、将来を模索している人、家庭で子育てに奮闘している人、国際的に活躍している人、など多様だ。ひとりが話す時間は限られているのは残念だが、皆の顔や表情を見るだけで嬉しい。

 また、留学生で海外在住者も参加している。リモートならではの良さだ。もちろん、国内の遠方地に勤務している者も参加した。みんな久しぶりで、楽しいひとときであった。

 そして、一人一人の報告が、私の刺激となり治療に取り組む力となる。1時間半弱の会合であったが、私にとって珠玉の時間であった。

 さらに、一人一人の言葉を添えた冊子を頂いた。4月に深谷さんら有志学年による冊子、そして今回はOBOG会の開催に合わせた冊子だ(写真)。みんな、本当にありがとう。

○温泉療養もやり過ぎはマイナス

 5月21日(土)に奈良沢温泉に温泉水(釈迦の霊泉)の購入を兼ねて、1泊2日の療養に出かけた。宿泊すると時間に余裕があるため入浴回数が増える。5回入浴した。入浴時は痛みが和らいで気持ちがよいが、2日目になると少しのぼせて疲れを感じた。調子は下降気味で、帰りの車の運転は妻に頼んだ。昔の妻は長距離運転を敬遠したが、随分と逞しくなった。

 翌23日(月)は通院日。血液検査の結果は前回とほぼ同じでひと安心だが、腎臓の数値は少し悪化している。S医師に脱水症状がでていると言われた。前日に温泉に入りすぎたせいだろうか?。何事も過ぎたるは及ばざるが如し。

○鼠径ヘルニアの手術を決断する

 このときS医師に鼠径(そけい)ヘルニアの手術の件を相談した。S医師は、患部を触診して癌の転移ではなさそうと確認したうえで、生活に支障が無いなら手術しない選択もあるとした。私が余命をハイキングや運動して楽しみたいと伝えたところ、「生活のQOLを高めるためには手術したほうがよいかもしれません。血液検査の数値を見る限り、手術に耐える体力はあると思います」。なお、全身麻酔になると、その間は免疫機能が低下するため懸念は残るとのこと。

 この相談の後、25日(水)に緩和ケアを担当する筑波メディカルセンターの消化器外科の先生と面談した。先日のOBOG会で頂いた元気も後押しとなり、手術することを決断した。全身麻酔になるが、麻酔担当の先生からは、短時間のため影響はわずかだろうとのこと。

 もちろん、余命を考えると手術しないという選択も有力だろう。しかし、治療してハイキングや軽登山を楽しむという目標があると気持ちに張りが出る。仮に、手術後にそのまま入院となっても悔いはない。最後まで余命を満喫したいと思う。


北岳に登る(2015.8)

北岳に登る(2015.8)


八本歯のコルの梯子