癌と余命を生きる 肝内胆管癌ステージⅣ

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ゴールデンウィーク:末期がん山に登る

○講演依頼のビデオ作成が2件

 4月に入り講演依頼が2件あった。いずれも6月頃にWEB講演を予定しているという。6月の体調は不明なため躊躇したが、事前にビデオを作成して対応する方法でもよいとのことで、2件とも引き受けることにした。当日体調がよければ質疑に参加する予定だ。

 ビデオ作成は、体調を維持している4月中に終えたいと思い、早速作業に取りかかった。パワーポイントを作成し、ZOOMで講演映像を記録し、それを編集ソフトで整えて完成だ。相変わらずカメラの前の表情が硬いなぁ。それでも、仕事があることで気持ちに張りが生まれる。その気持ちが延命に効果があるはずだ・・・信じる者は救われる・その4?

○ゴールデンウィークを迎える

 ゴールデンウィークを元気で迎えられるとは望外の喜びだ。初日の29日、子ども家族が自宅に集まった。正月以来のパーティだ。大人6人と孫4人、とても賑やかだ。
 私が予想外に長生きしているためだろうか、みな私が癌であることを忘れて楽しんでいる。それが私にはとても心地よい。普段通りの光景が何より嬉しい。

○再び山登りにチャレンジ

 5月4日、筑波山の隣にある宝筺山に登ろうと思い立った。麓から頂上まで1時半ほどの低山だ。実は、一生に一度は富士山に登りたいと登山用品をそろえ、手始めに登ったのがこの山だ。2010年であった。当時は、ロープ場もあるハードな山道であったが、その後、よく整備され初心者や子ども連れも気軽に登れる人気の山になっている。

 私たち夫婦も毎年2~3回は訪れており、昨年も抗がん剤の休薬期に登った。息苦しくて何度も諦めかけたが、途中のベンチまで何とかたどり着き山飯を楽しんだ。

 そして、この日は、ジクトルテープ(痛み止め)を2枚貼って頂上を目指した。

 抗がん剤は終了しているため、息苦しさは前回ほどではない。しかし、体力が衰えに衰えている。足が上がらない。ザックの重さが肩にくい込み苦しい。何回も休みながら、ついに山頂に着いた。やったぞ~。

 山頂のベンチでお湯を沸かし、我が家の定番のおにぎりとサンドを焼いて食べる。格別だ。1時間近く頂上でのんびりして下山した。下りは体が楽に感じた。

○体を動かすと体調がよくなるようだ

 下山後は、とても体調がよい。実は1ケ月ほど前から癌で胆汁がつまるサインがでていた。胆管つまりを示すALP-IFCCの値が、4月18日の血液検査で467に悪化しており(正常値113以下)、尿や便の色にも危険信号が出ていた。それが、下山後は久しぶりに色が正常に近づいた。

 想像するに癌で胆管が狭くなっていたが、体を動かすことで胆汁の流れが少し回復したのではないだろうか(素人考えだが)。実際、5月9日の検査では、値が348に下がった。正常値にはほど遠いが、今年に入り悪化の一途だった数値が少しでも改善したことは嬉しい。

 そして、翌5月5日は卓球を楽しみ、5月8日には近くの菅生沼を1時間半ほどハイキングして自然を満喫した。体を動かすと、とても気持ちがよい。

○ついに末期癌の宣告を受ける

 連休明けの5月9日は通院日。血液検査の結果は全体に改善している。
 しかし、5月2日に撮影したCT画像の結果が思わしくない。癌は大きくなっており、新しい治療の効果はないと評価された。これ以降、認可された治療方法はない。つまり、末期癌の宣告を受けたわけだ。

 夫婦で結果を受け止め、今後は化学療法に頼らず自らの治癒力で癌と共生しようと覚悟した。詳しくは次回へ。


自宅で家族パーティ  宝筺山の山頂で

自宅で家族バーティ


宝筺山の山頂で