癌と余命を生きる 肝内胆管癌ステージⅣ

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桜が咲く春を迎える

○桜のシーズンに牛久大仏へ

 2022年4月最初の週末。地元つくば市で桜が満開となった。2日(土)は牛久大仏に出かけた。前に訪れたのは15年ほど前。久しぶりの訪問だ。ちょうど桜が満開になっており大勢の方が訪れていた。
 大仏に入りエレベーターで展望室に上る。窓は小さいため眺望満喫とはいかないが、上からみた桜も美しい。天候にも恵まれて春を満喫した。

 ところで、牛久浄苑(お墓)は宗派不問なので、大仏も無宗派と思い込んでいたが、大仏内では浄土真宗(東本願寺)の建立とうたわれていた。私の新潟のお寺と同じ宗派だ。今回なぜ急に訪問を思い立ったのだろうか。不思議な縁を感じた・・・南無阿弥陀仏。

 翌3日(日)は、北条の大池公園を散策。こちらも桜が満開であった。
 癌の宣告があったときは、桜のシーズンに元気で散策できるとは思っていなかった。治療による延命効果のおかけだ。

○喜びの中にも体調急変への心構え

 もっとも楽観は禁物だ。昨年9月の体調が良かった頃のこと。CT検査の結果を聞くために妻が同伴したときの会話だ。妻「数値が良くなっているので安心してよいのでしょうか」。S医師「体調がよくみえても急変するのが癌の特徴です」。妻は楽観していたので、それを聞いて随分と落ち込んだようだ。それからは、季節の節目を私が迎えられることを心の目標にしたという。

 そして半年後、桜の季節を迎えた。昨年、妻は家でひとり「桜」をピアノで弾いたときに、桜の季節に私はいないと涙したそうだ。春を迎えられる喜びを夫婦で分かち合いながら、いつ体調が急変してもよいように心構えはしておこう。

○研究室の卒業生からの連絡

 この癌ブログは3月中旬に公開したが、4月に入り何人かの卒業生からブログを見たと連絡をいただいた。皆さんに心配をかけたようで申し訳ない。しかし心配は無用だ。現在のところ体調は維持しており、もし体調が悪化しても、充実した大学教員生活であったと満足している。悲しみとは無縁だ。

 卒業生の皆さんが各々の職場や家庭で元気でやっていることが一番嬉しい。それが充実している場合も、迷いがある場合も、どちらも貴重な人生だ。笑顔を忘れないでいて欲しい。


牛久大仏と性山寺(しだれ桜)