2004.10.30

 新建築家技術者集団千葉支部主催による「ちば建築とまちづくり展」(10月29〜31日)が千葉市立美術館さや堂ホール(千葉市中央区役所内)で行われ、これまで小林研究室で進められてきた「団地再生」の研究の成果が展示されました。また、30日には小林研究室博士課程の新井信幸 小杉学が千葉の住宅地・団地の再生をテーマに講演を行いました。
 新井の講演では、主として賃貸住宅団地を対象とした団地再生の手法についてのこれまでの研究成果が発表されました。千葉市には公団(現都市機構)が運営する団地や、市営住宅とし作られた団地が数多く存在するが、今後はその立地条件や周辺環境に合わせて再編が必要と説明。また、居住スタイルとして駅周辺の便利な場所で暮らせる「徒歩生活圏」型、緑豊かな郊外で暮らす「田園居住地」型を提案しました。また、ライフステージにあわせて居住地を移転する「住み替えシステム」の提案が行われました。
 小杉の講演では、主として分譲住宅団地を対象とした団地再生の手法についてのこれまでの研究成果が発表されました。分譲住宅団地の再生手法としては、これまで考えられてきた団地全体を一度に建替え、容積率を上げることで居住者は「タダで建替え」を行うことができる「等価交換型」の建替えは郊外ではもはや不可能であると説明。今後は1棟ずつ建替えの検討を行う「棟別建替え」が主流になり、その手法として「単独型」、「共同型」、「新設型」の提案を行いました。
 会場との質疑では、空き店舗が増加した団地内センター施設の問題や、提案を具体化させるにあたっての法律的な課題等についての質問が寄せられました。
 千葉市内の団地の多くは昭和40年代に建設され、老朽化への対応を真剣に検討する時期にさしかかっていますが、課題も多く、今後も研究室でも継続して研究していく必要があると感じました。
(報告 修士 戸村)
【展示されたパネル】
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