癌と余命を生きる 肝内胆管癌ステージⅣ
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○点滴から2週間で脱毛が始まる
7月7日の点滴から2週間ほど経過すると脱毛が始まった。3剤併用では脱毛は少ないと聞いていたが、やむを得ない。
脱毛は壮絶だ。風呂で洗髪するとゴッソリと抜け落ちる。手に絡みつく髪の毛がもの悲しい。さらに1週間ほどすると、地肌が見えるようになった。8月にWEB会議があったが、残った髪の毛を前によせて、何とかとり繕った。しかし、さらに脱毛が進み、8月末にはとり繕うこともできなくなった。
日常生活では帽子をかぶっていれば問題ないが、講演や会議では見た目の急激な変化は、説明が必要になってつらい。どうしたものか。
○医療用かつらを購入することにした
9月に入ると講演が2つある。そこで、ウィッグ(かつら)を買うことにした。最初は、ネットで1万円のものを購入したが、一目でカツラと分かり使えない。そこで、がん研究センターにあるウィッグ専門店に相談した。
昔の写真を示しながら、合うかつらはありますかと聞く。20万円以上のものであれば対応できるとのこと。
20万円以上・・・躊躇したが、妻が背中を押してくれた。「仕事で必要でしょ、今がお金の使いどきよ」と。
8月末に店を訪問して、白髪の混入率10%など細かい要望を伝えた。9月7日に妻と一緒にかつらの購入と調整をすることになった。医療用として2割引。金額は税込み22万円であった。
振り返ると、購入して本当に良かったと思う。かつらを使うのは、おもに仕事のときだが、癌の説明は不要で気後れせず対応できる。生きることに前向きな気持ちを維持することに大いに役立った。
○2回目の点滴は白血球減少で延期
話は前後するが、2回目の点滴予定日は7月26日(月)。しかし、朝の採血の結果、白血球が大きく減少しており見送りとなった。最初から見送りとは、先が思いやられる。
そして1週間後の8月3日(火)に点滴が行われた。朝晩に飲むエスワン(T-S1)は、1回に飲む量を50mgから40mgに減らすことになった。
2回目の点滴後に意外な副作用がでた。便秘、吐き気、気持ち悪さ、そして脱毛は、予想された副作用であった。それに加えて、かかとに痛みが生じたのだ。歩くとびっこになった。
8月7日に妻の父の葬儀があったが、その帰りに偶然知り合いに会った。眼をまるくして、とても驚いていた。脱毛にびっこ、よぼよぼの老人と思ったそうだ。
妻は、「じいじは、お父さん(私のこと)に残りの命を分けてくれたのかも。きっと天国で見守っているよ。長生きしてね」とつぶやいた。