中根金田台
緑住農住宅計画


>home
「新田園都市・なかこん」のまちづくり
   〜つくばエクスプレスタウン:中根金田台での新たな試み〜

□コンセプト


茨城県つくば市の“中根・金田台地区”における、緑住農一体型の郊外住宅地計画で、アメリカやイギリスの住宅地開発に見られる、広い前庭空間のある田園住宅地をモデルとしており
世界に通用する一流の居住街区による世界に誇れる美しい町並みの創出を目的としている。


□プロジェクト概要

◆計画場所◆

中根金田台地区は、TXつくば駅から車で約10分、つくば山を望む高台の田畑や山林が広がる地区で、面積は約200haとなっている。市街地からは若干離れているが、その分開発されていない自然が残っているなど、つくば市内において自然が豊富な地区となっている。
また、都内へはTXが整備されており約1時間で秋葉原まで行くことができるなど、都心へのアクセスも充実している。



◆事業内容◆

  「なかこん」のまちづくりでは、先行街区としてこのうち6haを開発することが計画されている。
各街区は景観緑地・宅地・菜園の三つの区画によって構成されており、住宅の前景に幅員12mの緑のネットワークが確保されているため、これが連続することで統一感のある景観が創出される。

  さらに緑地内には幅員2mの歩行者専用道路を確保することで、街区内の輔車分離を促している。
標準的な区画は、景観緑地約60坪・宅地約100坪・農地約40坪で計画されている。

 また、宅地・農地は定期借地権制度を利用することで、土地取得費用を無くし、土地取得の場合と比較して、安価で居住できるようになっている。

さらに景観緑地に対して、市は地上権を登記することで、景観緑地の地代と固定資産税相当額を相殺する。それにより、借地面積から景観緑地部分は省くことができ、借地代の軽減と良好な景観の創出の両立を実現している。










□研究室での取り組み

◆居住者管理組織の提案◆

外国では、こうした良好な住環境を目的とした開発では、一般的にHOA(Home Owners Assosiation)と呼ばれる住民による管理団体があり、HOAが各住民に対して景観について指導を行っていることが多い。
「なかこん」では、景観が計画における重要なファクターとなっており、景観の連続性を担保するためにも、なんらかの強制力を持った住民による意思決定機関が必要であると考える。


そこで、研究室では日本型HOAの必要性を提言するとともに、管理組織の提案を行っている。
右図の提案では、最高意思決定機関として「中根・金田台まちづくり協議会」を予定しており、その内部組織に理事会や景観委員会など問題に応じた組織を用意する。
協議会には原則全ての住民と地主の参加を予定している。

◆地主組合の提案◆
今回の計画では、地主には景観緑地の管理責任があるため、地主間での管理水準の統一が重要になってくる。さらに中根金田台地区には約600人の地権者が存在しており、土地区画整理事業後の換地の際に、人気のある区画へ換地希望が集中してしまう可能性が考えられる。
そこで、地主がLLP(有限責任事業組合)を組織し、自主管理か委託管理かの選択を行えるようにするとともに、その中で管理等の調整を行うことを計画して提案を行っている。
具体的には、地主はLLPに対して出資を行い、自主管理の地主には管理費相当額がLLPから支払われ、委託管理を選択した地主はLLPを通じて業者に景観緑地の管理が委託される。
 


千葉大学工学部都市環境システム学科小林秀樹研究室
Copyright c 2008 Hideki Kobayashi Lab. Chiba Univ. Japan All rights reserved.