○ 郊外団地再生に向けた福祉施設導入プロジェクト(実践支援) |
研究室が長年関わってきた郊外団地の再生計画が実現に向けて動き出しました。老朽化した集会所を建替え、高齢者施設と子育てサロン等をもつ「多世代交流型集会所」を実現する計画です。 図は担当設計事務所より |
修士学生が団地住民とワークショップを実施。高齢者住宅と福祉施設を導入する計画を提案する。高齢者関係だけでは集会所建替えに必要な3/4以上の同意は難しいとの意見を踏まえて、子育ての場を併設することが望ましいことを確認する。
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実現に向けて多世代交流型集会所の計画を立案。団地の検討委員会が、小杉先生(博士卒業生・現東北工大)や戸村先輩(修士卒業生・2014年よりちば地域再生リサーチ)らに依頼して第一次建替え案を作成。広く団地住民に説明を開始する。 |
集会所の建替え実施案を作成。団地管理組合が建築設計事務所に発注して実施案を作成し金額を見積もる。その案について、棟別集会等を通じて団地住民に丁寧に説明する。 (2012年夏)臨時総会の開催 臨時総会において集会所建替え計画を議案とする。議案の成立には、議決権及び区分所有者数の各以上の3/4以上の賛同が必要だが、わずかに不足。次年度総会で本計画は継続案件となる。 |
以上の経緯を踏まえて、小林先生が団地再生に向けた法制度のあり方を国の委員会で提言。 古い団地では、無反応者が一定数存在する。このため、3/4以上の賛成は極めて高いハードルになる。とくに、全員が利害関係をもつ建替えとは異なり、共用部分の改修では無反応者が多くなる傾向があり、建替えの4/5以上より合意形成が難しい場合がみられる。このため、無反応者を決議の母数から外すための法改正が必要である。 具体的には、共用部分の変更に関する決議要件について、以下の2案を提言。 (1)特別集会決議を創設する (2)現行の3/4以上について、2/3以上に緩和する 郊外団地においては、建替えは費用負担が必要になるため実現は難しい。できる限り長く住み続けるためには、共用部分の変更・改修を容易にする法制度改革が必須になる。 |
千葉大学工学部都市環境システム学科小林秀樹研究室 |