KOBAYASHI LAB NEWS 2016

2016.01.17

黒田美穂さんが日本建築学会の若手優秀発表賞を受賞しました

 日本建築学会では、2013年度より全国大会において優秀な研究発表を行った若手を対象として、若手優秀発表賞を表彰しています。その2015年9月大会(東海大)の若手優秀発表賞(建築社会システム分野)として、黒田美穂さん(2015年3月修士卒)が選ばれました。受賞した研究発表は、黒田さんが修士論文としてまとめたものです。

「管理不全マンションにおける解消の可能性に関する研究」 日本建築学会 2015年9月 建築社会システム分野

 この研究発表は、管理不全マンションが社会問題になりつつあることを踏まえ、それが先行的に表れている越後湯沢のリゾートマンションを対象として管理不全化の実態を解明したものです。さらに、その解決に向けて多数決による区分所有関係の解消制度の必要性を指摘するとともに、土地価格よりも建物解体費が高くなる例が少なくない実態を示すことで、自力解決にも限界があることを考察した貴重な研究です。

 黒田さんの研究は、科研・基盤研究の一環として進められましたが、現地調査と登記簿調査の大部分は、黒田さんが苦労しつつ自力で進めたものです。管理不全マンションの現地訪問では、不測の事態を避けるためご家族に同伴していただいたとのことです。この場をお借りしてご協力に感謝する次第です。このように、優れた研究成果は本人抜きには達成できなかったものであり、若手優秀発表賞に相応しいといえます。おめでとう!(小林)

 また、この時の連名者として発表した渡辺裕君が本研究を引き継ぎ、全国の管理不全マンションの実態を踏まえて独自の考察を行い、翌年度の若手優秀発表賞を受賞しました。

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